30.「アメリカのエネルギー政策の転換」についての質疑応答

2007年7月17日〜7月22日、会員との質疑応答より

咲華

  「アル・ゴア元副大統領が地球温暖化防止を訴える講演を精力的に行っている。彼の講演の模様を撮った映画も公開され、アメリカでヒットしているようだ。
  私は、彼の活動は熱心過ぎて、そこに何か不自然なものを感じた。地球温暖化防止については、別に否定されることではなく、我々全員が考えることだでそのこと自体はどうということがない。問題は 『時期』 だ。なぜ、 『今』 『急に』 なんだろうか?
 そのことを探っていくうちに、アメリカのエネルギー政策の転換といったことまで見えてきた。そこで今回は、それらのことについて問答したいと思う。」

質問者

「 はい。
  ではまずアル・ゴア元副大統領について調べた結果を載せておきます。

  アルバート・アーノルド “アル” ゴア・ジュニア(Albert Arnold "Al" Gore, Jr., 1948年3月31日 - )は、アメリカ合衆国の政治家。
  環境問題の論客として知られ、ビル・クリントン政権の副大統領を1993年から2001年まで務めた。
彼は2000年に大統領に立候補した。全国一般投票では共和党候補ジョージ・W・ブッシュより得票数で上回ったが、フロリダ州での開票手続きについての問題の後、落選が決定した。
  アル・ゴアは1970年代から地球温暖化について関心を持っており、この問題には造詣が深い。ここ数年は、世界中で地球温暖化防止についての関心を高める運動に精力的に参加している。
  彼の地球温暖化についてのスピーチは高く評価されており、ゴアは講演を少なくとも1000回行っている。
2006年、アル・ゴアはパラマウント・ピクチャーズ製作の地球温暖化に関するドキュメンタリー映画 『不都合な真実 (An Inconvenient Truth)』 に出演した。映画には、ゴアのもっとも最近の講演が含まれている他、ゴアの談話と研究が紹介されている。
  この映画に対する環境問題の専門家からの評価は概ね高く、すでに米国国内では600以上の映画館で公開されており2006年7月現在、ドキュメンタリー映画としてはアメリカ合衆国映画史上3番目の興行成績を収めている。
  同作は2007年2月、第79回アカデミー賞の長編ドキュメンタリー映画賞を受賞した。
(参考文献:フリー百科事典 『ウィキペディア』 )」

咲華

  「 そうだね。
  アル・ゴア元副大統領は、全世界を動き回って、地球温暖化防止に関するキャンペーンやスピーチを精力的に行っている。しかしその活動があまりにも熱心過ぎるので、私は彼のしていることに不自然なものを感じた。

  そして私がこのことに対して不自然さを感じたもうひとつの理由は2004年のアメリカ図(アメリカ合衆国成立時のホロスコープチャート)にある。
  2004年はブッシュ大統領が再選を果たした年である。2004年後半に大統領選があり、そこでブッシュは再度合衆国大統領に選ばれた。この件について私は以前の 『日本はどうなる』 で次のように述べている。
  『2004年にはアメリカ図に 火星-180-冥王星 の暴力衝動が現れているから、石油政策を中心にした人間や軍事関連企業と縁が深い人間が大統領になるだろう。そしてその人物とはブッシュである』」

質問者

「 はい。
  あのとき先生は投票結果が出る前にブッシュ再選を断言されました。 」

咲華

「 うん、そして私の予測通り、ブッシュは再選を果たした。それはそれで良かったのだが、この暴力衝動の陰で、実はひそかにもうひとつの動きが進んでいたのではないかと思っている。
  なぜなら2004年のアメリカ図には、暴力衝動とともにもうひとつ気になるアスペクトが現れていたからだ。それは、海王星-90-冥王星 というアスペクトである。
 火星-冥王星 の暴力衝動は2004年後半に最も勢いが強くなり、その影響力がブッシュ再選につながったが、海王星-90-冥王星 というアスペクトは、2004年から2005年にかけて現れ、その影響力のピークは、2005年の秋口だった。
  つまりこちらの方が暴力衝動より少し遅れてピークを迎えたわけだ。だからこのアスペクトの影響は、暴力衝動の陰に隠れて見えにくかったけれども、その影で着実に何らかの動きがあったと考えられるということだ。 」

質問者

「 なるほど。
  ではその座相はいったいどんな意味を持っていたのでしょうか。」

咲華

「 私は 海王星-90-冥王星 が表すものは 『石油政策の転換』 ではなかったかと考えている。なぜなら、まずもともと海王星の持つ意味のひとつに 『石油』 がある。その海王星に再生と破壊を表す冥王星がヒットしているわけだから、これは石油政策の転換だろうと読んだ。
  また、2004年の新日本図(新日本成立時のホロスコープチャート)を見てみると、8宮の海王星に土星が90°でヒットしている。これについて私は以前から、 『石油受給の逼迫』 であると言っていた。そして私の予測通り、日本の石油価格は上昇していったのだが、このアスペクトが消えた後も、石油価格はなかなか下がらなかった。 『咲華占星術入門』 にも書いたけど、私はこの理由がなかなかわからなかったんだ。
  新日本図のアスペクトに従うならば、 海王星-90-土星 のアスペクトが消えた後は、石油価格は低下していかなければならないはずである。そのことに疑問を持った私は、その原因を色々と探っていたのだが、どうもこれはアル・ゴア副大統領の動きと何か関連があるのではないかと考えるようになった。
  そして2004年から2005年にかけて、日本の石油価格高騰が持続していたまさにその時、アメリカ図では海王星に冥王星が90°でヒットしている。日本の石油価格が不自然に高止まりしていたこの時期に、おそらくアメリカでは石油政策の転換が行われたのだろう。

質問者

「ではアメリカでは、石油政策の転換としてどのようなことが行われようとしているのでしょうか。」

咲華

「 2007年6月23日の日本経済新聞に 『原子力復権狙う米国』 という特集記事が出ていた。その記事に、
『米国が原子力発電の推進に大きく動き出した。エネルギー資源の価格高騰や環境問題に対応するため、30基以上の原発新設を計画』
と書かれている。
  現在アメリカでは104基の原発が稼動しているから、30基建設ということは実に3割増えるということになる。大事業である。

  また同記事には、
『米政府は政策を転換し、税の優遇や債務保証を柱とする原発推進策を定めたエネルギー政策法を2005年に成立させた』
『三菱重工業、東芝、日立製作所といった日本の原子炉メーカーも米国での受注獲得に躍起だ。(中略)日本政府も米国への原発輸出を金融支援などで後押しする』
といったことも書かれている。 」

質問者

「この記事を読むと、アメリカは近年の原油高や環境問題への対策として、原子力発電に本腰を入れて取り組むつもりのようですね。 」

咲華

「 原発を建設するには、地盤調査や環境調査などが必要となるので、建設を決定するまでにかなりの時間がかかる。
  さらに、現在のアメリカにはかなり重症の原発アレルギーがある。原発は危険であるという考えがアメリカ人の心に強く存在している。そういう状況のなかで、2007年にいきなりアメリカが30基の増設を表明し、日本が金融支援を決定したということは、水面下では、数年前からこのことについて計画が立てられ、密かに進められていたはずだ。

  そして私はその計画が立てられたのは、2004年から2005年にかけての 海王星-90-冥王星 という座相が現れた時ではないかと考えていたのだが、上記の記事にもあるように、原発推進策を定めたエネルギー政策法が、まさにこのアスペクトのピークである2005年に成立している。だから、私はこのアスペクトを 『石油政策の転換』 だと言っているわけだ。 」

質問者

「 はい。星の動きと現実社会の動きが見事に一致していますね。 」

咲華

「 しかしエネルギー政策を従来の石油中心から原子力発電に転換するには、アメリカ国民が持っている原発アレルギーを和らげなければならない。

質問者

「 アメリカ人は、1979年にスリーマイル島の原子力発電所で起きた事故以来、原発に対するそれまでの『安全神話』が崩れ、ひどい原発アレルギーに陥っていますからね。 」

咲華

「 そこで登場するのが、地球温暖化防止運動の伝道師であるゴア元副大統領ではないかと思う。つまり、 『いまの地球温暖化から世界を救うには、石油という化石燃料を燃やす従来の発電方法ではダメだ。発電の際に二酸化炭素の発生を伴わない原子力発電こそ次世代のエネルギーである』 という概念を人々に植え付ける人間が必要だったということです。
  そしてゴア氏の運動はかなりの効果があったのではないだろうか。 」

質問者

「 はい、彼の講演の模様は 『不都合な真実』 というドキュメンタリー映画にまでなり、2006年7月現在、ドキュメンタリー映画としてはアメリカ合衆国映画史上3番目の興行成績を収めているということですから、効果はあったと思います。 」
 

咲華

「 もちろんゴア氏もそこは心得ていて、講演においてあからさまに原子力発電を礼賛しているわけではない。しかし化石燃料による地球温暖化を声高に叫ぶことによって、二酸化炭素を発生させないクリーンエネルギー、原子力の有益性を暗にほのめかしている。
  それで君にゴア氏のことを調べてもらったんだ。なぜなら彼の活動はあまりにも熱心すぎるので、私は彼の背後に原子力関連企業が存在するのではないかと考えたわけだ。 」

質問者

「はい。
  私が調べたところでは、先生が言われるとおり、彼の背後には原子力利権が存在していました。以下に私が調べたことを記します。

( 『オルタナティブ通信』 2007.1.28より抜粋)
・ゴア氏は、オクシデンタル石油(反メジャー)の経営者として、長年地球温暖化を大々的に推進してきた。
・ゴアは2代目議員であり、先代のゴアは米国上院、下院原子力発電開発委員会の中心メンバーとして、核兵器開発と原子力発電を強力に推進してきた。その時も、ゴア議員は火力発電による地球温暖化防止のために、原子力発電を推進すべきだとキャンペーンを行った。
・オクシデンタルは、ロシアでウラン鉱山開発も手がけている。
・ゴアの活動資金は、国際鉱物資源マフィア=暴力団のマーク・リッチから出ている。リッチは石油もウランも、太陽光発電装置や風力発電装置に使用するレアメタルも販売している。
・マーク・リッチはベルギー生まれのユダヤ人。商品取引で成功し、巨億の富を築き上げたが、パートナーのピンカス・グリーンともども違法行為(脱税やイランとの不正な石油取引)について検察から捜査を受け、1983年にスイスへ逃亡。
1984年に欠席裁判で有罪判決を受け、永らくFBIに指名手配されていたが、2001年、任期終了数時間前のクリントン大統領から赦免を獲得。これに先立って、リッチの元の妻が民主党に総額100万ドル以上の献金をおこなっていたため、 『金で赦免を買ったのではないか』 と物議をかもした。

( 『ウィキペディア』 より抜粋)
・現在、原油価格が急騰し、火力発電は採算が合わなくなり、米国では原子力発電所建設ラッシュである。地球温暖化問題のクローズアップは原子力発電・ウラン業界には販売促進活動となる。
・民主党の有力シンクタンクであるワールドウォッチ研究所は、環境保護問題を専門とするシンクタンクであり、民主党の選挙キャンペーンとしてしばしば環境保護問題を宣伝に使う。」

咲華

「だから、ブッシュ政権のあとを引き継ぐであろう次期民主党政権は、誰が大統領になったとしても原子力発電を推進していくはずである。つまりゴア元副大統領は、アメリカ国民から原子力発電建設の同意を得るために、世界中の人に温暖化防止を説いて廻ったということだ。
  これはまわりくどい方法だね。なぜなら、彼は環境問題、地球温暖化を盛んに訴えているけど、直接的に原発推進を唱えてはいない。

  しかし地球温暖化は、彼が講演で言っているような家庭レベルでのリサイクルや省エネでは解決しないということが学問的にもわかっている。だから彼のやっていることはイメージ戦略にすぎないわけだ。
  そしてイメージ戦略をするならするで、あれだけ熱心にやるからには、それによる利益が彼に発生しなければおかしい。
  それが君に調べてもらったマーク・リッチ氏であり、また彼自身が経営していた石油会社なのだろう。しかし、アメリカのエネルギー政策が転換した以上、今後、原子力関連企業は隆盛していくだろう。日本でも、原子力発電関係の基礎研究をしている会社の株は上がっていくと思う。」

質問者

「 はい。
  ではアメリカは石油の次のエネルギーについて本格的に考え始めたということでしょうか。」

咲華

「私はそうは思っていない。アメリカは、いけるところまで石油でいきたいと考えているはずだ。
  なぜなら、彼らは石油の利権をがっちりと握っているからね。原発を推進し始めたのは、最近の原油高、エネルギー高にして打つべき手を打ったというだけのことだろう。アメリカは、例えば核融合のように無尽蔵に資源が存在するようなエネルギーは、世界中に広がって欲しくないと考えているはずだ。

  なぜなら石油と違って核融合は、アメリカが独占することはできないからね。だからある程度、次のエネルギー戦略が立って、パテントをとるなり何なり、自分たちが次のエネルギーにおいても、石油と同じように世界の利権を握り、支配できる状態を確立するまでは、次世代エネルギーは世界に広がることはないだろう。」

質問者

「 なるほど。相変わらずアメリカはしたたかで、きちんとした国家戦略を持った国ですね。世界の石油を手中に収めていながら、それでも念のために原発にも手を伸ばすアメリカ。何の資源も持っていないのに、高い石油を買わされるだけで対策を講じようとしない日本。国家としての能力が格段に違うと思います。
  世界の石油を握っているアメリカでさえ、原発に力を入れ始めたということは、現在の燃料インフレの傾向は当分変わらないということだと思います。先生、どうもありがとうございました。」



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