24.「政府による日銀支配」についての質疑応答

2006年6月15日〜19日、会員との質疑応答より

咲華

  「今回のテーマは、『政府による日銀支配』についてだ。
6月13日の予算委員会で日銀総裁の答弁があったが、そのなかで、日銀総裁が村上ファンドに出資していたことが問題になった。この様子をテレビで見ていて、私はこの国の将来に強い危惧を抱いたのだが、その理由はおいおい説明していくことにして、まずはいつものように、事態の経緯を調べてくれないか。」

質問者

「 はい、わかりました。

ことの起こりは、村上世彰氏が証券取引法違反容疑で逮捕されたことでした。2006年6月5日の午後、東京地検特捜部が、村上ファンドの代表である村上世彰氏を証券取引法違反(インサイダー取引)容疑で逮捕しました。
村上代表は同日午前に、報道陣の前で記者会見しインサイダー取引を認めましたが、特捜部は全容解明のため逮捕へと踏み切りました。村上代表はライブドア側から04年11月8日、ニッポン放送株の発行済み株式の3分の1を大量取得する意向を聞かされながら、翌9日〜2005年1月16日まで、同放送株計193万3100株を違法に買い付けた疑いが持たれています。
村上代表は04年9月15日、既に買い進めていたニッポン放送株の処理に困り、ライブドアの堀江前社長や前財務担当取締役の宮内亮治被告に、一緒に同放送株を取得するよう要請。この際、『村上ファンドで17%持っているので、ライブドアで3分の1取得すれば同放送を手に入れられる』と持ち掛けたということです。これを受けたライブドアでは資金繰りを検討し、宮内前取締役らが04年11月8日、正式に応じました。
東京地検特捜部は、これ以降の村上ファンドによる株購入が、インサイダー取引に当たると判断したわけです。

そしてこの村上ファンドに、日銀の現総裁である福井俊彦氏が出資していたことが明らかになりました。 詳しい経緯を以下に記します。

2006年6月13日の参議院金融財政委員会において、福井氏は村上世彰容疑者が率いていた『村上ファンド』に1000万円を拠出していたことを明らかにしました。拠出したのは富士通総研の理事長を務めていた1999年の秋で『村上氏の志を激励するのが目的』とのことでした。
福井氏は、最大のインサイダー情報を得ることのできる日銀総裁に就任後もファンドを解約せず保有し続けました。
この投資行為(拠出)は、『日本銀行行員の心得』という内規に違反している可能性があります。
ちなみに、このニュースが流れた6月13日、日経平均株価が大幅に下落する『福井ショック』なる現象が発生しています。
(参考文献:フリー百科事典『ウィキペディア』) 」

咲華

  「そうだね。この問題のために、本来は政府から独立した意思決定機関であるべき日銀が、ある程度政府に操られてしまうことになるだろうというのが、今日の答弁を見た私の感想である。つまり、日銀は政府に弱みを握られてしまったということだ。」

質問者

「はい。日銀の仕事は物価を安定させることですから、過度のインフレは容認できません。ハイパーインフレなどはもってのほかでしょう。インフレを退治するためにはありとあらゆる対策をとるというのが、日銀の本来の立場です。
ですから、物価の上昇が始まれば、金利を引き上げることによって市場に出回るお金の量を減らし、それによってインフレを抑えようとするでしょう。」

咲華

「うん。そういう日銀に対して、政府の思惑は対極に位置している。竹中平蔵経済財政担当相が、インフレターゲットの必要性をたびたび口にしていることからもわかるように、政府はインフレを望んでいる。
インフレターゲットとは、物価水準(物価上昇率)の目標値を決めて、物価がその水準に近くなることを目的に金融政策を実行することであり、計画的にインフレを起こすことである。(私は机上の空論だと思う)
つまり政府は、インフレを容認するというよりもむしろ、積極的にインフレを期待している節がある。この点で、日銀と政府は対立していると私は考えている。 」

質問者

「はい。では、政府は日銀に言うことを聞かせるためのカードとして、今回の福井総裁の問題を利用しようとしているということですか。」

咲華

「私はそう考えている。日銀と政府の思惑が対立しているという状況下で、日銀総裁が村上ファンドに出資していたという問題が出てきた。そして今回の件での、福井総裁の辞任はないと私は思っている。政府は福井総裁を守るだろう。それによって日銀に貸しを作ることができるからだ。
つまり福井総裁を辞めさせないかわりに政府の言うことを聞けという取引が、暗黙のうちに行われるのではないかと思う。」

質問者

「なるほど。そうなると、今回の村上世彰氏の逮捕は、福井総裁を危機に追い込み、日銀に貸しを作るための伏線だったのではないかとさえ思えてきますね。」

咲華

「うん、政府は福井氏の出資については当然前もって知っていただろうから、そういう可能性はあるね。
そしてこれは少しうがった考え方かもしれないが、ライブドア問題、村上ファンド問題による株の下落は、日本人に株式投資を控えさせるために意図的に行われたのではないかと思っている。
なぜなら、株式市場の急激な上昇は、日銀が金利引き上げを考える要因のひとつになるからである。私は今年の初めに会員たちに『株式の相場は、夏に向けて1回と秋冬にもう1回の、二段底になる』と話しをしているが、こんな形できたのか、と思っている。 」

質問者

「政府にとっては、株式市場があまり加熱し過ぎるのは困ると言うことですね。」

咲華

「 そうだ。そしてそこには、おそらくアメリカの意志も働いているだろう。つまり、『金は我々が儲けるから、日本人は儲けるな』ということではないだろうか。
だから、アメリカから日本政府に対して、株式市場を下落させろという指示があり、それを実行するために堀江氏や村上氏の逮捕が行われたということだと思う。そして村上ファンドの場合は、さらに日銀に対する牽制もできて、一石二鳥だったということだろう。
それに、村上氏の顔はあまり万人受けするとは言えないから、悪役にするにはもってこいだしね。」

質問者

「堀江氏、村上氏は日本の株ブームに水を差すためのスケープゴートにされたということですか。」

咲華

「そうだと思う。このように、日本経済の動きは様々な思惑によりコントロールされているんだ。
例えば、『景気は着実に回復している』と言われ始めて久しいが、本当にこれだけ長い期間、景気回復が続いているのなら、日本経済は大回復を遂げているはずである。しかし現実にはまったく良くなっていないと
思わないか。」

質問者

「 はい、私自身の実感からしても、景気は良くなるどころか、むしろ悪化の一途をたどっているように思います。それなのに、政府の景気判断だけがずっと好況を示していることには、ずっと疑問を感じていました。」

咲華

「 2006年5月1日の産経新聞に、次のような記事が載っている。

・・・・・景気の回復・拡大は5月、戦後2位の『バブル景気』を抜いて52カ月に達する公算が大きくなっている。11月まで続けば『いざなぎ景気』を超え、戦後最長を更新する。だが、多くの人は『バブル』や『いざなぎ』で味わった“時代の変化”を体感できていない。
それを裏付けるのは、経済指標や賃金、消費面での大きな違いだ。例えば、この間の実質成長率は『バブル』の半分、『いざなぎ』の4分の1にすぎない。賃金収入や消費支出に至っては、家計調査を見る限り、平成14〜17年の4年間で減少している。多くの企業は財務立て直しを優先し、賃金や消費は立ち遅れているといえる。巷(ちまた)では依然、景気回復の『実感がわかない』との声が多く聞かれる。・・・・・

この4年間、賃金収入、消費支出ともに減少しているにもかかわらず、政府は経済指標のなかの有利な数字だけを意図的に取り出して、景気拡大を謳っているのである。これはやはり情報操作であり、作られた楽観論だと思う。」

質問者

「 はい。
『日本はいま好況のはずなのに、生活はちっとも良くならない。』と思っていたのは私だけではなかったんですね。
情報操作というのは恐ろしいものです。実際には良くなっていなくても、『好景気、好景気』と言い続けられるとなんとなくそんな気になってしまうんですから。」

咲華

「そういうことだよ。
さて、話が少しそれてしまったので、もとに戻そう。つまり政府は、いけるところまで低金利でいきたいと考えている。そして緩やかなインフレをできるだけ長い期間持続させて、日本の財政を限界まで保たせようとしている。
その間に日本の借金は静かに、だが着実に膨らんでいくだろう。そしていずれ限界を超えたところで日本経済は破綻し、必然的にハイパーインフレに突入することになる。
それまでは、だらだらインフレによって日本の財政をできる限り延命させる。おそらくこれが、政府の考えているシナリオだろう。」

質問者

「 政治家や官僚は、相変らず問題を先延ばしすることしか考えてないんですね。」

咲華

「しょせん人の金ということだろうな。
こういうときに国家100年の計を考える政治家が出たとしても殺されるかスキャンダルがでてきて退くことになるだろうな。」

質問者

「はい、政治家にしろ官僚にしろ、真に国を思っている人よりも自分たちの保身のことしか考えていない人の方が、圧倒的に数が多いということですね。
そういう状況ですから、まともな政治家が現れたとしても、よってたかって潰されてしまう。日本人にとって、非常に不幸な現実だと思います。」

咲華

政府はだらだらインフレによる日本経済の延命と、その後のハイパーインフレを狙っているというのは上に述べたとおりだが、このシナリオを実行する際に問題になるのが日銀の動きだ。
なぜなら、インフレになれば日銀は、物価の上昇を抑えるために金利を上げて金融引き締めを行おうとするからだ。だが政府の立場としては、インフレは歓迎だが金利が上がるのは困る。金利が上がると借金の利払いが増えて、たちまち国が破綻してしまうからね。」

質問者

「 だから今回の福井総裁の件で日銀に貸しを作っておいて、物価が上昇しても低金利を続けるように圧力をかけようというわけですね。」

咲華

「そういうことだろう低金利のまま少しずつ物価が上昇していけば景気が回復しているように見えるから、その間は税収も増えて、財政を立て直したというアピールもできる。
そして日本の財政がどうしようもなくなったところで国家破綻が起きて必然的にハイパーインフレに突入し、負債は帳消しになるというわけだ。今回の件によって、このシナリオがかなり現実味を帯びてきたと思う。」

質問者

「はい。インフレになって物の価値が上がるということは、逆に言えばお金の価値が下がることを意味しますから、インフレになればなるほど、借金は実質的に目減りするということになります。仮に1000%のハイパーインフレが来たとした場合、物価は10倍になりますから、お金の価値は現在の10分の1に減ってしまいます。ということは、1000兆円の借金も実質的には100兆円になりますね。
なるほど、そう考えるとハイパーインフレは政府にとってむしろ、歓迎すべきものと言えるのかもしれません。ただ、そのツケはすべて国民が払うことになるわけですが。」

咲華

「そうだね。だから政府は、実はハイパーインフレを望んでいるのだと思う。低金利で、日本の借金を限界まで増やさせて、国がやっていけなくなったところでこの借金バブルをはじけさせ、借金をチャラにしようとしているのだろう。
ただそうなるまでの間は、経済がうまくいっているように見せかけたい。そのために早期に金利を上げることを嫌がっているわけだ。
そして、国の借金の額がある一定のレベルを超えたとき、とうとう財政がコントロールできないようになって、ハイパーインフレに突入していくだろう。
このきっかけとしては、外資による日本国債の売り浴びせなどが考えられるが、そういう筋書きがすでに政府の中で出来上がっているのではないかと私は思う。」

質問者

「 はい。今回のお話を聞いて、日本の国家破綻が着実に近づいていることがよくわかりました。私たちは見せかけの好景気に騙されずに、破綻に備えなければいけません。先生、ありがとうございました。」



日本はどうなる INDEXへ

日本はどうなる

日本の国、そして世界の国々のホロスコープチャートから読み解いた未来予測の数々! 今、わが国日本、そして世界はどこへ向かおうとしているのか? 私たちの生活を左右するこの国と世界の政治・経済・天災等はどうなるのか? 私たちの未来はどうなる?そして今から何をなすべきか!!

リンク